薪の風呂

開拓生活研究所, 森の暮らし

薪の風呂

今私たちは薪で沸かしたお風呂に入っています。

科学的な根拠は分かりませんが、薪の風呂は温かさがまろやかで湯冷めしにくいと聞きました。
そういわれてみると、熱すぎるくらいのお湯に入ってもガスや灯油の風呂よりビリビリした感じが少ないような気がします。
確かに、薪を用意し、手間暇かけてお風呂を沸かすのは大変です。
冬場だと炊き始めてから沸くまで二時間くらいはかかります。もちろんつきっきりではありませんがこまめにめんどうみてやらなければなりません。
忙しい時はとてもやってられないくらい面倒ですが、それだけに風呂に入ったときの満足感はまた格別です。

開拓日誌にも書きましたが冬の暖房は薪ストーブです。
薪ストーブの暖かさもほんのりとして、体の芯から暖まる種類のものです。
薪ストーブを使ってしばらくしてふと思ったんですが、いくら鉄板で囲まれた中とはいえ、家の中で木を燃やすというのはすごいことのような気がします。
ガスコンロや石油ストーブだって同じ火なんでしょうけど、キャンプファイヤーの仲間が部屋の中にあるんですからこれはすごいことです。

最近の暖房器具は点火から温度調整までボタン一つでOKと言うパターンが多いですが、薪ストーブはそういうわけにはいきません。今時珍しい手のかかる道具です。
でも、元々焚き火は大好きでしたから、火の番も楽しみの一つです。何より火をいじっていのは心地よく、なんとなく落ち着いた気分になってくるのがいいところです。

薪を使うためには伐採から始まって、玉切り、薪割り、乾燥のための積み上げ、と手間がかかることばかりです。 でも、なんでもお金で手に入る時代に、暖かさを得るために直接的に労働する、と言うのもなかなか味わえない楽しみのひとつのような気がします。

ところで、私たちが薪の風呂を沸かしているという事を知った近所の人から、焚き付け用にと白樺の樹皮をいただきました。
試してみると樹脂分が多いのかどうかはわかりませんが、マッチ一本で簡単に火が着き、多少の風があってもジジジッと音を立てながらよく燃えます。
白樺の皮がこんなによく燃えるもんだとは思ってもいませんでした。

せっかくだから使えばいいのに、なんとなくもったいなくて、火付きが悪いときのために大事にとってあります。